世界恐慌と日本経済、今後の発展のために

公開日: : 最終更新日:2015/06/01 経済

現在100年に一度の大恐慌と言われていますが、何が起きたのかを自分なりに整理(間違っている部分あったらごめんなさい)。
まず100年前というか80年前に遡ると、1920年代の世界金融大恐慌
第一次世界大戦後に経済が上り調子だった1920年代のアメリカは、大戦に伴う重工業の投資や帰還兵による消費の拡張、自動車工業の躍進、ヨーロッパを中心に輸出量の増加などによって好況が続いていました。
しかし次第に実態経済が鈍足する中でも、それまでの好況で得た資金により投機熱が高まり続け実態以上の経済規模となり過剰投資・過剰生産が続いていました。その中での大型株の下落をきっかけに売りが膨らみ、資金を回収するための売りが殺到。一週間で米国連邦年間予算の10倍に相当する300億ドルが失われ世界恐慌のはじまりになりました。
続いて1987年。再びアメリカを中心に好況が続いていく中、一般市民にも幅広く株式を中心とする投資が広まっていきました。
市況の活性化に伴い、株を担保に銀行がお金を貸しはじめるよう動きが増してきました。つまりレバレッジをきかせ現金の数倍の金融資産を買う信用取引が一般化し、それが繰り返され株価は上昇を続けた。しかし上昇を続け膨らんだところで、一定数の株を売る人が出ました。株価が少し下がったところで、めいっぱいレバレッジをかけていた人は担保資産の減少による損失が元々投資していた現金に対して大きくなり売却せざるを得なくなりました。売る人が増えたので市場は下がり、さらに売る人が増え、さらに市場は下がりました。
また、当時機関投資家を中心に普及し始めていたコンピューターによるプログラム取引が、ある程度株価が下落すると損失を最小限にするために自動的に売り注文を出すようになっており、これも売りの連鎖を呼んだといわれています。。
これらの連鎖により、たった一日で22.6%という大暴落に至ったのがブラックマンデー
続いて1990年代後半のITバブル。新しい業界であるITに過剰な期待と投資が集まり実態とかけ離れた経済成長がありましたが、同様に急落。
こういったことを繰り返さないよう政府はレバレッジに規制をかけるようにしました。
2004年に、バーゼル2(自己資本比率規制)発表。
自己資本比率は、資産(資本+負債)に対する自己資本の割合。つまり銀行の借金の割合を減らすための規制であり、これが発行されることは、銀行が縮小することです。これ自体は適切な措置で、銀行は自らの資本に対して大きなレバレッジをかけることができなくなりました。
そこで銀行は、財務諸表に載らない形でレバレッジをかける方法を考え、ローンを証券化しはじめました。ローンを自分で抱えているとその借金は財務諸表に載り規制の対象となるが、ローンごと顧客に売ってしまえば規制の対象にはなりません。
銀行は「貸し付け業」から「ローンを作る業」になり、このお金を返すかどうかは銀行は考えなくても良い仕組みを作りました。
また株式の他に、住宅ローンも証券化して一般の投資家に売るようになりました。それまでの住宅ローンについては銀行はお金を返してもらうために一定の審査をしていましたが、投資をするのが自分たち自身でなくなったので非常に甘くなることに。
住宅が欲しい貧困層に、金利より住宅価格の方が上がるのでいざ苦しくなれば住宅を手放せばいいと説明し、格差の激しい国民の約半分の貧困層に対しローンを組ませたのがサブプライムローン
株式やサブプライムローンを混ぜて様々な派生金融商品(デリバティブ)を作り一般投資家に販売し続けました。
オプション、ヘッジファンド、ファンドオブファンズ(Fund of Funds)、ユニットトラスト・・・。様々な商品を混ぜているので分散しているように見えるが、株価やサブプライムローンと連動しているものばかりです。また、商品が派生するごとにレバレッジがかかっており、実質的に大きなレバレッジに(オプションのヘッジファンド、ヘッジファンドのファンドオブファンズなど)。
サブプライムローンは日本の「ゆとり返済」と同じく2年目までは返済は少なく3年目から返済額が急激に大きくなります。このローンを借りた貧困層の一部は、3年目になりローンが払えなくなりました。また、住宅そのものの価格も下がってしまい返せない状態に。
この一部の焦げ付きが、レバレッジのかかった実態経済に大きな影響を与えることになります。返済を求める銀行、株式や不動産を売って現金を作ろうとする投資家、売りが市場のさらなる下落につながりさらに返せなくなる人が増える。これがサブプライム問題と解釈しています。
仕組みはブラックマンデーなどと同じですが、不動産を担保にしたローンが大きいことと金融派生商品が複雑化していることが歴史の中で新たな違いです。
また、問題を複雑にしているのは、一つの金融商品の中にその不良債権を良好な債権とが混ざっており、その商品はアメリカ国内だけでなくヨーロッパなど世界にも出回ってしまっていることです。証券が複雑化していて実態把握や解消に時間がかかっています。
その中で日本は、金融制度や体制の遅れが逆に幸いしてこの不良債権はあまり回って来ていませんでした。その結果、ドルやユーロは急激に下がり、日本円は信頼面から相対的に上がりました(輸出を主体とする日本企業にとっては円高は厳しい状況になりますし、また株価はアメリカ株とある程度連動しやすいので下がりましたが)。
世界大恐慌の時は、この大恐慌を復興させるためにアメリカ政権は共和党から民主党のフランクリン・ルーズベルト大統領に変わりました。共和党は「小さな政府」、「経済に介入しない」を原則にしているので、経済的な不安を感じたアメリカ国民は、それまでの共和党から、新たに民主党の大統領を選択しました。
その意味では今も同じ状態といえます。共和党であるブッシュ、後継者であるマケインを選択せず民主党のオバマを大統領に選びました。
世界大恐慌後については、民主党のフランクリン・ルーズベルト大統領が経済復興政策として公共投資を主体とするニューディール政策を実行しました。その効果については賛否両論あるものの、結果的に経済は急激に復興しました。
中でも一番効果があったと言われるのが、第二次世界大戦による実需でした。決して喜ばしいことではありませんが、戦争は最大の公共投資といわれることがあります。軍需に伴う産業は活気づいて仕事がない人はいなくなりますし、物の需要も膨れ上がります。80年前は、大恐慌と言われた状態からは戦争によって脱却しました。
今回はこれからどうなっていくのかわかりませんが(また戦争ということにはならないと信じていますが)、未来はそれほど暗いものではないと思っています。
建築や輸出産業などはしばらく苦しい状態が続くかもしれませんし、二極化も続くかもしれません。しかしこれは変化が求められているということだと思いますし、最大のチャンスの時期とも考えられます。
ITを中心とする新しい道具は発展し続けていますし、輸入産業は利益を出しやすい状態です。日本には世界一を誇る技術も多くありますし、これから伸びる産業も多いでしょう。確実に便利な世の中になっていますし、こんなときこそ準備ができる人こそ豊かになっていくのだと思います。最大の富は冬の時代に生まれるといわれています。
日本の企業がさらに発展していくことを期待しつつ、そのためにどんな存在となりどうすれば良いかを考えながらがんばっていきたいと思います。

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Comment

  1. ナカジ より:

    とってもわかりやすくてためになりました!
    ありがとう!

  2. 小林佑輔 より:

    ナカジ>
    おぉ、よかった。ありがとう。
    俺も書きながら自分の頭と情報整理できたよ。
    大きい視点で客観的に見てみると、今だからこそできることがいろいろあるね、お互いがんばっていこう!

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